小さくてカラフル。いろいろ簡単にできるんです。

「目立つのはいや」「年よりぱくていや」補聴器に対してそんなイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし、最新の補聴器のことを知れば、そんな印象もガラリと変わります。

サイズやデザインも、いろいろ

補聴器にはさまざまなタイプが揃っています。
見た目やデザイン、使い勝手で好みのモデルを選びましょう。

補聴器選びで重要なポイント

耳の穴の形状の個人差、耳の手術後など、トラブルを避けるためには注意を払う必要があります。
耳あな式の補聴器はオーダーメイドのためシリコンで型を取りますが、その際に事故も起こりえます。
まず耳鼻科を受診して検査を受け、補聴器認定技能者のいる販売店で相談することをおすすめします。

補聴器は便利に、個性的に!

最近の補聴器はコンパクトで、つけていても目立ちません。
一方でカラフルな補聴器でおしゃれを楽しみたい、自分の個性を反映させたいという人も増えています。

耳あな型

耳あなに収まるタイプ。耳あなにスッポリ収まる小型のものから、耳の外にまでくる大型のものまでいくつかのタイプがあります。耳あなの形状ときこえの程度にあわせてつくるオーダーメイドタイプが一般的です。
日本の補聴器市場の約35%が「耳あな型」補聴器です。既製の「耳あな型」補聴器も販売しておりますが圧倒的に「オーダーメイドタイプ」の方が数は多いです。

―「耳あな型」補聴器のメリット―
①小さいタイプ(IIC,CIC型)は、正面からも横からもほとんど見えないように作ることも可能です。
②メガネやマスクの邪魔にならないです。
③集音性に優れている。音を拾うマイクの位置が本来の自然の位置に近いです。
④オーダーメイドで作成するため、装用感は安定しており、落下等で紛失しにくいです。

―「耳あな補聴器」のデメリット―
①使用者様の耳の形によりサイズがかなり影響される為、期待した形で出来ない事もあります。また、耳の中が変形している方や非常に小さい方は作成できない事もあります
②オーダーメイドで作成するため、耳の穴にぴったりと合わせる為、自声の違和感や閉塞感、圧迫感を感じるやすい方もおられます。
③集音するマイクとスピーカーが近く、ハウリングのリスクが高いです
④充電型の補聴器のラインナップが少なく選択肢が少ないです

耳かけ型

耳にかけるタイプです。本体は耳の後ろに装着します。音は補聴器で集めて解析され、増幅されてワイヤー(またはチューブ)を通って耳の中に入れたレシーバーを介して聞こえます。 耳かけ型補聴器は、日本で販売されている補聴器の約62%が「耳かけ型」です。
RICタイプと言われるタイプが普及し、充電式の人気もあり、近年増加傾向にあります。

―「耳かけ型」補聴器のメリット―
①適応範囲の広く、軽度難聴から重度難聴まで幅広く対応できます。
②昔に比べるとかなり小型化もされ、ファッション性に富んでいます。
③スタイリッシュなデザインや色々なカラーもあり補聴器に見えない形状もあります。
④多機能でです。ブルートゥースを使用した無線機能や、電話を聞くためのテレコイルやFM装置を使用するためのアダプターの取り付けが可能等、色々なものがあります
⑤各メーカー充電タイプがあり、色々な選択肢があります。

― 「耳かけ型」補聴器のデメリット―
①メガネとマスクと補聴器、3つ同時にかける事や老眼鏡等付け外しの際に邪魔になる事もあります。また、マスクを外す時に注意をしなければ補聴器が外れてしまう事もあります。
②比較的故障リスクが高いです。耳介にひっかけるように装用しますので、汗の影響を受けやすいです。
マイクに汗が入ったりしてしまうと、どうしても故障のリスクが大きくなる。防塵、防水がついた補聴器もありますが、経年劣化からその性能を発揮でなくなる事もあり、過信せずに使用後のお手入れをきちんとしていただくことが必要です。

ポケット型

ポケット型補聴器は、箱型補聴器ともいいます。その名前の通り、箱のような形をしていて、ポケットに本体を入れ、本体とコードでイヤホンをつないで耳に装着して使用します。ミュージックプレイヤーのような見た目をしています。

―「ポケット型」補聴器のメリット―
①比較的安価に手に入る。
耳かけ型や耳あな型は、商品によっては片耳50万円するような高額なものもあります。比較的安価なものであっても5~10万円程度です。対してポケット型補聴器は、3~5万円前後と比較的安価です。

②手軽に使える
イヤホンの装着のみで操作が簡単なので、シーンによって使い分けがしやすいです。 一日中使い続けるというよりも、会議のときだけ使用する、家でテレビを見るだけ使用するなど、生活の一部分で聞こえを補助する道具として気軽に使うことができます。
③ハウリングが起きにくく、高出力が可能
ポケット型補聴器は本体(音を拾う部分)とイヤホン(音を出す部分)が離れています。補聴器では、補聴器で大きくした音を再び補聴器が拾ってしまうことで「ハウリング」という現象が起こる場合があります。本体とイヤホンが離れているポケット型補聴器は、そのようなハウリングが起きにくいとされています。大きな音を出すことも可能なので、重度の難聴にも対応ができます。
④操作が簡単
本体自体が他の種類の補聴器と比較すると大きいため、ボリューム調整や定期的に発生する電池交換などの操作が簡単です。細かい作業が苦手という人にとっては比較的使いやすいといえます。

―「ポケット型」補聴器のデメリット―
①邪魔になりやすい
ポケット型補聴器は、本体とイヤホンが一体化しておらずコードでつなぐ必要があり、コードが衣類などにひっかかってしまう可能性があります。スポーツをする機会が多い人や、出かける機会が多い人にとってはコードが邪魔になってしまう場合もあるでしょう。
②持ち運びに考慮が必要
本体をポケットに入れたり、首から吊り下げたりするなどの工夫が必要です。 ポケットがない服を着ているときや、首から吊り下げることを不快に感じる人は持ち運びを面倒に感じる人も多いでしょう。
③音に違和感を覚える場合がある
音を拾っているのは、ポケット型補聴器の本体です。本来音を拾う部分(耳)の位置とは異なるため、方向感覚などに違和感を覚える可能性があります。

骨導式補聴器メガネ型

 骨導式は、主に伝音難聴向けとなります。
伝音性難聴かどうかについては医師でないと診断ができません。また、伝音性難聴は医学的な治療が可能な場合も多い難聴です。
骨導端子を骨にきちんとあてる必要があるため、圧迫感や痛みを感じる場合もあります。
端子がきちんとあたっていないと音が聞こえにくいだけでなく、ハウリングの原因にもなってしまいます。
上手に骨に当てないと聴こえにくい補聴器です。

―「骨導式」補聴器のメリット―

①伝音難聴に向いている
②耳を塞がないため閉塞感がない
③周囲の雑音や騒音の影響が少ない
④端子は左右どちらでも同じように聞こえる

―「骨導式」補聴器のデメリット―
①感音難聴には向かない
②種類が少ない
③汗の影響を受けやすく故障しやすい
④メガネをはずすと聞こえなくなる
⑤メガネの掛け具合を合わせることが難しい
⑥適合する人が少ない

補聴器の金額もいろいろ

実際に検討する時に気になるのが、どんな補聴器を選べばいいのかということ。価格や形、タイプもさまざまです。

耳掛け式で、片耳5万円程度~56万円程度
耳穴式で、片耳8万円程度~56万円程度
ポケット型で、4万程度~15万程度
骨導型、24万円程度~(骨導型補聴器は現在取扱いメーカーが2社程度しかなく、ほぼ変動がありません)
補聴器は最低でも何万円もするものになっていますが、すべて本体価格と調整等の技術料が合わさった金額になっています。

【本体価格】
デジタル補聴器は大きく分けて、1.音や信号を入力する、2.音を処理する、3.音を出す、の3つの部分から成り立っています。
1.音や信号を入力する
マイクロホンで補聴器用のとても小さく高性能なものが起用されています。特定の方向から音をよく拾える「指向性」と言う機能のついた補聴器はこのマイクロホンが複数個ついています。さらにメーカーによっては1つのマイクを内部で4分割にし、処理を行える高性能なマイクを使用してるメーカーもあります。

2.音を処理する部分
とても小さなICチップで複雑な処理を行っています。これは補聴器の性能を左右する最も大事な部分です。なので、この部分が補聴器の代金の大半を占めています。優れたチップは1秒間に8億回以上の信号処理を行うほどハイテクな物もあります。
3.音を出す部分
補聴器用の小型で高性能なスピーカーが搭載されています。

補聴器はとても小さい本体の中に、いくつもの高性能な装置が搭載されています。いわばマイクとスピーカーがついたコンピュータといっても過言ではないでしょう。そのような精密な機器である補聴器を開発するために莫大な費用と年月、多くの人手がかかっているのです。

【調整などの技術料】
補聴器は使う人に合った補聴器を使用してこそ、補聴器本来の力が発揮されます。聴力や、耳の形、生活環境などは人によって異なります。また、時間が経つことによって聞こえの状態や耳の形などは少なからず変化をしていきます。そのため、補聴器を快適に使用するためには補聴器の調整やメンテナンスが定期的に必ず必要になるのです。「補聴器は高い!」と思われる方も多いかもしれませんが、実は、購入時のフィッティングや、購入後の定期的な調整などのアフターメンテナンスなどの技術料が補聴器の価格の中には含まれているのです。

補聴器の金額を見ると、予想以上の価格に驚く人も多いと思います。高価な補聴器であれば両耳(2台)分で軽自動車1台が購入できるほどのものもあります。では、高額な補聴器ほど聞き取りやすいのでしょうか?
実は、補聴器は必ずしも価格に比例して聞きやすくなるというものではありません。
補聴器には様々な機能があります。雑音を抑えて聞き取りやすくする機能や、ある特定の方向からの音を聞きやすくする指向性と呼ばれる機能、ピーピー音(これを「ハウリング」と呼びます)のような不快な音を取り除く機能など様々な機能が開発され、補聴器に搭載されています。 補聴器の価格の違いは、これらの補聴器に搭載されている機能や性能による違いが最も大きいのです。もちろん搭載されている機能が多く性能が高い高額な補聴器の方が音の再現性は高いといえるでしょう。
しかし、最も大事なことは使用する人に合っているか、使いたい環境に適しているかが大事です。 使う人の聞こえの状態、使う目的や環境などを考慮した上で最も満足のいく、自分に合った補聴器を見つけることが重要です。

補聴器メーカー紹介

ワイデックス

デンマークに本社を置き、補聴器を専業とする世界6大メーカーのひとつ。小さな音から大きな音まで、身の回りのあらゆる音を自然で豊かに届ける音作りが特徴。

フォナック

スイスで生まれ、現在100カ国以上で愛用されている補聴器を製造する世界6大メーカーのひとつ。世界シェア1位の会社です。騒がしい場所での聞き取りを向上させる補聴援助システムであるロジャー/FMシステムはパイオニアとしての地位を確立しています。

オーティコン

デンマークに本社を置き、「難聴による制限のない世界」をビジョンに掲げ、さまざまな業界初となる製品を生み出してきた世界6大メーカーのひとつ。脳への負荷も考慮するなど、革新的な技術が搭載されているのが特徴。

シグニア

140年前にシーメンス補聴器が誕生。現在はシグニアというブランドで幅広いお客さまのニーズに応える会社です。グローバル本社はワイデックスと同じWS Audiology社になります。

GNリサウンド

デンマークに本社を置くGNは、補聴器とヘッドセット産業の両方から深い洞察と知識を得て、耳・聴覚学、音声、ワイヤレスの分野で世界をリードするオーディオソリューション企業であり、そのGNが手掛ける補聴器ブランドがリサウンドです。

スターキー

アメリカに本社を置き、全世界に20ヵ所以上の製造拠点と800ヵ所以上の流通・販売拠点を有する世界6大補聴器メーカーのひとつ。 オーダーメード補聴器の先駆者であり、超小型のIIC、充電式オーダーメイド耳穴型など豊富なバリエーションの耳あな型補聴器が特徴です。

NJH

世界トップクラスの 補聴器メーカー「ベルトーン」・「ユニトロン」を取り扱う会社です。ベルトーンはGNリサウンド社、ユニトロンはSONOVA系列の会社になります。全国に3つの製造拠点を構える、日本唯一の会社です 。

その他

その他 パナソニック、リオン、コルチトーンなど多彩に取り扱いがあります。

※修理預かり等の対応は可能ですが、一部調整機器がないため、調整不可の器種があります。